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フジテレビの“夢”を乗せた「お台場カジノ構想」へ高く立ちこめる暗雲

ニューヨーク夜景

2013.08.08
 カジノ解禁へ向けた動きは、これまで何度も盛り上がり、その度に頓挫してきた歴史があるが、安倍晋三首相を最高顧問とする国際観光産業振興議員連盟(細田博之会長・通称カジノ議連)が、10月に開会する臨時国会でカジノ法案提出を予定、「今度こそ」の気運が高まっている。

 カジノ議連には、自民党を最大勢力に、公明党、民主党、日本維新の会、みんなの党、みどりの風などから140人が名を連ねる。加えて、猪瀬直樹東京都知事や松井一郎大阪府知事など有力自治体の首長がカジノ解禁を支持、ハードルは低くなっている。

証券市場はフジをカジノ銘柄として織り込み済み

 こうした動きを歓迎している企業の最右翼が、フジテレビを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングス(フジMHD・東証一部)である。「刑法で禁じられた賭博」という現状から、表立った推進の動きは見せていないが、水面下での準備は着々と進め、証券市場は既に「カジノ銘柄」として織り込んでいる。

 フジMHDが出資・運営する「ダイバーシティ東京」は、昨年9月、東京都から特区認定を受けた。この特区で同社は、国際会議や展示場を誘致のうえで、カジノを中心としたホテル・観光施設を運営する。これがフジMHDの「お台場カジノ構想」で、既に、社内に「特区事業室」が新設されている。

 テレビCMで収益を稼ぐというビジネスモデルはもう限界にきている。

  テレビ局には、イベントを仕掛ける能力があり、フジテレビも昨年、ツタンカーメン展で大成功を収めた。しかし、それは一過性のイベントで、収益の柱にはならない。
 そこで、展示場、国際会議などを常時、開設できる場を持ち、カジノ併設のホテルを運営、それをフジMDHの次世代ビジネスモデルとする、ということのようだ。

 ただ、難問が待ち受けていた。
例えば、遊技機メーカー・ユニバーサルエンターテインメント(UE社)に対する米連邦捜査局(FBI)捜査である。
これは、お台場カジノ構想の暗雲のひとつだ。
 FBIは、現在、UE社がフィリピンにカジノを建設する際、米子会社のアルゼUSAが、カジノを管轄するフィリピン娯楽賭博公社幹部に、賄賂を贈った疑いがあるとして捜査を進めている。

 UE社の旧社名はアルゼ。そこでアルゼUSAなのだが、同社は米ネバダ州カジノ規制委員会(NGB)の厳しい規制を受けるとともに、米企業として海外での贈賄行為についても訴追を受けることになっている。
 UE社の代表は岡田和生会長。先見の明があった岡田氏は、日本のカジノ解禁が遅々として進まないことから、カジノの本場、ラスベガスに目をつけ、「カジノ王」といわれたウィン・リゾーツのスティーブ・ウィン氏が苦境にあったのを助ける形で、うまくカジノデビューを果たした。

単独フィリピン進出を機に仲違い

 両者の関係は、マカオに共同でカジノホテルを運営するほど良かったが、UE社がフィリピンに単独進出を決めたあたりからギクシャクし始め、今や民事刑事で訴訟合戦。その過程で、ウィン氏がフィリピンでの贈賄疑惑を告発、それに連動する形でUE社本体の贈賄疑惑も発覚、東京地検特捜部の内偵捜査も始まった。

 これがフジMDHの「お台場カジノ構想」の暗雲につながるのは、カジノ構想は、「岡田氏と石原慎太郎日本維新の会共同代表との親密な関係」が起点となっているからだ。

「お台場カジノ」は、そもそも10年以上も前に、都知事時代の石原氏がぶち上げたもの。そして、石原氏とフィリピンのアキノ大統領とは家族ぐるみの仲。そこで石原宏高代議士は、UE社の事業を支援、UE社は選挙応援でそれに報いる、という関係だった。

 FBI捜査が岡田氏に及び、アルゼUSAのライセンスが剥奪され、地検特捜部の捜査がUE社本体で始まり、石原宏高代議士との関係が取り沙汰される…。

 これがUE社や石原ファミリーが、もっとも恐れるシナリオだった。ただ、少なくとも特捜捜査は本格化する兆しがない。

「UE社に対する告発がなされたこともあって、特捜部が元幹部らの参考人聴取を行った事実はあります。でも、賄賂が慣習化したフィリピンでの捜査は容易ではなく、本格着手には至らないでしょう」(司法担当記者)

 するとアルゼUSAという米企業の"個別問題"ということになって、「お台場カジノ構想」に悪影響は与えない。フジMDH関係者は、ホッと一息ついている。

パチンコ依存560万人の日本でのカジノ開設へ疑問の声

 ただ、別な難問が控えている。
 カジノ解禁が盛り上がっているのは事実だが、本格的に論議が始まると、カジノ依存症の問題や犯罪資金の流入、青少年への悪影響が、必ず持ち出される。消費者金融の多重債務者問題に取り組んできた弁護士らは、「パチンコ依存症が560万人もいる現状で、さらなる依存を引き出すカジノを開設する必要があるのか」と、解禁への動きに水を差す。

 そうなると、法案の優先度は低くなる。来春の消費税率上げ実施の是非、電気事業法と生活保護法の改正など秋の臨時国会での政策論議は多く、日程はかなりタイト。これに自衛隊法の改正などカジノ法案より優先順位が高くなりそうな法案もある。
 そうなると来年の通常国会に先送りされ、頓挫ではないが、ムードは盛り下がる。

 さらに、法案が通過、施行されても、全国20カ所以上の自治体が誘致を検討、水面下の動きは一歩リードしているとはいえ、予断は許さない。フジMHDの"夢"に立ちはだかるカベは、相当に高い。

【記事発信元: 現代ビジネス  伊藤博敏「ニュースの深層」 2013年08月08日(木)]


 

先月、大手広告代理店の電通がカジノ部門が始動している、というニュースをお伝えしたばかりですが、テレビ業界も既に水面下で活発な動きを見せているということで、もはやカジノ合法化は時間の問題かと思わせるニュースです。ただ、当然出てくる反対派の勢力も相変わらずなかなか活発な様子。
しかし、カジノがもたらす経済の波及効果を考えれば、臨時国会での法案決定は、本当にこの優先順位でいいのか?と疑問が残る。
証券市場が既に「カジノ銘柄」が顔を出していることを考えれば、世の中の動きは政治の世界とは違うことを望んでいるのでは?
情報操作を姑息に行わず、クリアにしてほしい。このニュースですら、情報操作を意図する部分が見え隠れするように感じる。
足踏み状態が続いているカジノ合法化ではあるものの、いずれは解禁となるだろう。
証券市場で「カジノ銘柄」が走り出したとき後悔しないために、バイナリーオプションの練習を始めていると、市場が爆発したときに乗り遅れない勝ち組になれるのでは…。

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