マカオ、カジノ収入18.6%増 13年、中国人観光客増加で予想上回る
2014.1.7 05:00
米ラスベガス地域の約7倍のカジノ収入を上げ、世界最大のギャンブル拠点となったマカオの2013年のカジノ収入は前年比18.6%増となり、2位以下との差をさらに広げた。
マカオのカジノ監察協調局の統計によると、公認カジノ6事業者の13年のカジノ収入は計3607億5000万パタカ(約4兆7560億円)と、ブルームバーグ・ニュースが集計したアナリスト5人の予想平均(18%増)を上回った。
サンズ・チャイナやギャラクシー・エンターテインメント・グループなどのカジノ運営業者はホテル客室やショッピングモール、娯楽ショーなどを拡充、マカオ来訪客の60%超を占める中国人観光客を集めている。ブルームバーグ・インダストリーズによると、新たなリゾート施設開業が予定されていないことから、14年の収入の伸びは鈍化すると予想されている。
ブルームバーグ・インダストリーズのデータでは、昨年1〜11月の中国人観光客は1700万人以上に膨れ上がり、このうち11月に156万人と、同月としては少なくとも6年ぶりの高水準となった。(ブルームバーグ Vinicy Chan)
【記事発信元: SankeiBiz 2014年(平成26年)1月7日[火曜日]5時00分]
また、非常に興味深い数字を明記したニュースが配信となりました。
昨年一年間のマカオのカジノ収入が、ラスベガスの約7倍もの利益を上げていたというものです。この結果は、カジノ法案を検討中の日本にとっても無視が出来ない数字です。
いち早く世界最大のカジノ運営会社、米ラスベガス・サンズが、この数字を見落とさず動きました。以下のニュースソースが、この記事を受けて同日同時刻に配信となった別記事ですが、ぜひ合わせて読むことをオススメします。
カジノ世界最大手、スペインの計画白紙に
2013.11.08
世界最大のカジノ運営会社、米ラスベガス・サンズが、スペインでの300億ドル(約3兆1275億円)を上回る欧州最大規模の巨大リゾート建設計画を白紙に戻し、これからはアジアに注力すると表明した。
同社の創業者で会長兼最高経営責任者(CEO)のシェルドン・アデルソン氏は2013年11月、建設予定地を訪問した際、スペイン当局者に政権が代わっても税率などの条件を維持するように要請するとともに、公共スペースでの禁煙とネットギャンブル規制への例外を求めていた。
これらの要請に対し、閣僚は投資を呼び込むために禁煙に関しては例外の適用を示唆し、政府も規制の変更が事業に悪影響を与えうる場合の対応策を模索していたという。
フェルナンド・ヒメネス・ラトーレ財務副大臣は「政府は妥当だと思える要請については応える努力をし、欧州法との適合性について欧州当局と話し合ってきた。ただ、他にも何か要請があり、すべての要請が受け入れられない限りは計画を進められないと判断したならば仕方がない。投資そのものはいいことだが、条件次第でもある」と述べた。
13年2月に発表された同プロジェクトでは、10〜12年をかけて、3万6000室を備えた12のカジノリゾートがマドリード郊外に建設される予定だった。企業寄りのスペイン国民党(PP)はかつて「この開発により、同国は5年におよぶ不況から回復し、57%という若年失業率が低下するだろう」と話していたが、今回の発表でこのような期待が水泡に帰すことになる。
一方、投資家らは、プロジェクトの経済的実行可能性について懐疑的だった。
アデルソン氏はたびたび「われわれはただ、20%の自己資金配当率(CCR)を生み出す開発を進めるのみだ」と話していたが、その一方で「韓国や日本でのカジノリゾート建設に興味がある」とも語っていた。同社は、マカオやシンガポールにカジノリゾートを有し、利益の大半をアジアから得ている。
昨年解体されるまで投資の呼び込みを行っていた国有企業プロモ・マドリードの見積もりでは、同プロジェクトはスペインの国内総生産(GDP)を4.5%押し上げ、16万4000人の直接雇用と9万7000人の間接雇用、すなわち、同地域の失業者の約半分相当の雇用を創出するとみられていた。(ブルームバーグ Christopher Palmeri , Sharon Smyth)
【記事発信元: SankeiBiz 2014年(平成26年)1月7日[火曜日]5時00分]
米ラスベガス・サンズはスペインで、300億ドル(約3兆1275億円)を上回る巨大リゾート建設を予定し、スペインの5年に及ぶ不況回復と57%という若年失業率が低下を期待していたプロジェクトを進めていましたが、このプロジェクトが白紙となりました。
それには、上の記事であったように、ラスベガスの約7倍もの利益を昨年(2013年)マカオがあげていたことに他ならない。
たしかにスペインの不況を救うという意味も含めて意義のあるプロジェクトではあったが、ラスベガスの約7倍の収入の実績を見せられて行動に移さない企業がどこにあるでしょう。ボランティアのような仕事では一大企業に関わる膨大な社員たちを養うことは不可能。企業としての母体が大きくなればなるほど、シビアに判断していかなくてはならないのは当然のこと。
日本も、ぐずぐずカジノ法案を練るのではなく、早急の対応をしたほうがいい。米ラスベガス・サンズがスペインから「アジア」に資本を注力することに決めたように、アジアは今が稼ぎ時のタイミングということになるだろうから。スペインで試算していた同様の経済効果となれば、日本の経済復活も加速するだろう。